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zoom RSS 謹賀新年!!落語映画(?)の金字塔 〜川島雄三監督 『幕末太陽傳』(’57)〜

<<   作成日時 : 2008/01/03 23:20   >>

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新年あけましておめでとーございますっ!細々とやっているヘナチョコブログですが、今日まで見守っていただいた少数派のみなさま(笑)、今年もよろしくおねがいします〜。

画像さて、お正月といえば”笑い”でございます。TVは軒並み長時間特番ばかりで閉口してしまいますが、落語番組や”爆笑ヒットパレード”といった番組は見てます。実は去年の夏頃に知人に新宿末広亭に連れてってもらってから”寄席”にハマってます。”古き良き日本”が未だ消えずに残ってるんでえすねぇ〜。いや〜カルチャーショックですよ。落語だけでなく、三味線による俗曲、漫才、歌謡漫談、太神楽曲芸。。。。いろんな”和”の芸を堪能できます。自分とほぼ同世代の芸人さんたちが結構面白いです。みなさまもぜひ♪

で、落語でございます。わたくしはまだ寄席初心者なので詳しいことはぜ〜〜んぜんわからないですが、中学生の頃に12チャンでやってたフランキー堺主演の『与太郎戦記』シリーズにハマッたり、大学時代にイカ天の後の深夜3:30から放送してた当時の若手落語家総出演(まだかけだしだった頃の春風亭昇太さんも出てました)のバラエティー『平成名物TV ヨタロー』を欠かさず見てたりと、意外と落語に親しんでたのかなぁと。今では古い邦画好きなわたくしですが、そこにも落語はリンクしてきます。日本映画史に残る作品であり、わたくしの大好きな俳優であるフランキー堺さんの代表作でもある『幕末太陽傳』(’57)は、落語の『居残り佐平次』、『品川心中』、『お見立て』等、有名な噺が盛り込まれた作品なのです。監督は、これまた日本映画史に欠かすことのできない名監督、川島雄三さん。


画像映画の冒頭は’57年当時の品川の京浜国道。現代の品川遊郭跡を写してから時代を遡って物語りは始まります。
明治ももうすぐという文久二年。品川遊郭の遊女宿・相模屋に羽振り良さげに乗り込む佐平次(フランキー堺)。さんざんドンチャン騒ぎをした翌朝、御代を請求されるも文無しの佐平時、開き直って居残りすることになる。この佐平次を軸に、同じ居残りしている勤皇の志士たち(石原裕次郎、二谷英明、小林旭!!!)、売れっ子遊女こはる(南田洋子)・おそめ(左幸子)、貸本屋の金造(小沢昭一/笑)、親の借金のカタに下働きするおひさ(芦川いずみ)、相模屋のがめつい主人夫婦(金子信雄&山岡久乃)。。。。といった濃い面々が絡んで物語が構成されています。
落語好きじゃなくても全然楽しめますヨ。しかしもの凄いメンツです。日本映画の代表的な俳優総出演といった感じ。主演のフランキー堺さん、この時28歳(!)。この貫禄はなんでしょう。しかもすばしっこく走り回る姿は爽快な事この上ない(笑)。どんなことでも必ずお金を貰う抜け目ないキャラでありながら、不思議と憎めないのです。むしろカッコよかったりして。そこはフランキーさんの芸達者ぶりが発揮されているのでしょう。一流ドラマーとしてのリズム感の良さはもちろん、中学時代には既に難しい落語をマスターして教室で披露していたという才能の持ち主だったわけですから。劇中何度も見せる、あらよっ!てな感じで羽織をすっと頭上に投げ上げてパッと袖を通す技(笑)には惚れぼれしてしまいます。

もちろんフランキーさん以外の俳優さんも濃い!(笑)。冒頭、佐平次と相模屋に乗り込む連れの衆には西村昇さん&熊倉一雄さん。しかもこのオープニングのみ!(笑)『お金ないのにこんなにたのんじゃって大丈夫なのかぃ?!』と言う時の辛気臭い顔には思わず笑ってしまいます。相模屋の主人を演じる金子信雄さんなんか白黒映画なのに鼻を赤く塗ってイヤ〜な主人を熱演(笑)。若い番頭役の岡田真澄さんも若い!外人顔して『生粋の品川生まれ品川育ちです!』と言われても、あんなバタ臭い顔じゃ(笑)。そして勤皇の志士を演じる石原裕次郎さん!まだ八重歯があって可愛い頃です。二谷英明さんは喧嘩っ早い無骨なキャラ、小林旭さんはヒョロっとした美少年(笑)。みんな若いのにオーラがあります。小沢昭一さんは川島映画の常連俳優。アバタ顔でへにゃへにゃの金造をうま〜く演じてます。

そして忘れちゃいけない、女優さんたちもがんばってます。売れっ子遊女を演じる南田洋子さん&左幸子さんの妖艶なことと言ったら!!(写真↑)。常連客それぞれに”あなただけよぉ”と思わせるこはるの客あしらいは、現在水商売をしてらっしゃるお姉さま方にも大変勉強になるのでは?(笑)。われわれ男性はこれを見て、キャバクラ等にハマらないように勉強しましょう(爆)。ライバル同士であるこはるとおそめの取っ組み合いのケンカも必見!(笑)。間に入って事をややこしくするやり手婆おくまを演じる菅井きんさんも素晴らし過ぎ(この頃からすでにおばさんやってます/笑)。
そしてけなげに下働きするおひさを演じる芦川いずみさん、かわいーーー♪借金が払えず身売りされたのも知らず、親が帰るところに『弟に凧でも買ってやって』とお金を渡すとこなんか(泣)。。。。こんないい娘を売っちゃいけません!(って誰に怒ってんだ)。

画像時代考証をしっかり考えた演出も素晴らしいです。遊女たちは全てお歯黒してます。また、入り口に盛り塩をして、たくさんの木札を玄関にまき、その札で上がり口を叩く。。。。といった描写は興味深いです。この辺は監督である川島雄三さん(写真)の持ち味なのでしょうか。佐平次は肺病病みで、だいぶ悪い咳をちょこちょこしてるんですが、エネルギッシュな行動派なので不思議と悲壮感はありません。でも劇中に起こった様々な出来事がうまく収束したラスト近く、相模屋を後にしようとする辺りで、佐平次に”死の影”がちらつきます。
相模屋を後にしようとした佐平次に番頭が『困った客がいるんでナントカしてください〜』と泣きつく。田舎者の客を嫌った女郎が、自分を死んだ事にして(笑)なんとかうまく言いくるめて帰してほしいって頼み。佐平次には容易いコトなのですが、この田舎者の客がツワモノで(演じるは市村俊幸)、『何、死んだ?!そうかぁ〜、そんなことが。。。(泣)』、こっそり部屋を出ようとする佐平次の襟首を掴んで『墓参りに行くべ!』。知ったことかと身支度して相模屋の玄関口から出ると外にその田舎者の客が(笑)。
墓場に着くと適当なお墓を指差す佐平次。『こら、こりゃ地震で死んだ人の墓だべヨ』と突っ込まれる(笑)。『エヘヘヘ、すいません、こちらでした』と佐平次。戒名を読むお客の横をこっそり立ち去る佐平次。『ん。。。。こ、こらぁ〜、こりゃ子供の墓でねぇかぁ!嘘ばっかついてると地獄へ落ちっど〜!』ずっこける佐平次。『そう簡単に死んでたまるかぃ!』と街道をツ〜〜〜っと走り去る佐平次の後姿に、陽気なディキシーランド風ジャズがかぶさる粋なラスト!!いいですねぇ〜。

本編はこれで終りなんですが、川島監督にはもっとすごいオチを考えていたんです。現在発売中のDVD『幕末太陽傳・コレクターズエディション』には、出演者である小沢昭一さん、南田洋子さん、録音技師の橋本文雄さんのオーディオコメンタリーがついていて、とても貴重なお話が聞けます。ここで小沢さんが監督から聞いたすごいオチの話が出てきます。一目散に街道を走り去った佐平次がなんと、映画冒頭に出てきた、現代の品川遊郭跡に出てきて走り去るってアイデアを出したらしいんです(驚)。道端に現代の小沢さん、南田さん、左さん演じる貸本屋&娼婦が目を丸くして見送るという(爆)。こんなオチをやろうとした川島監督、やっぱすごいです。ぶっ飛び過ぎ(笑)。助監督やフランキーさんの反対があったとか、既に撮影終了後で散ってしまったスタッフ・キャストを再結集するのは困難とか、様々な理由でこのオチは幻になったんですが、いやはやこれはこれで残念な話ではありますね〜。

おっと、年明け一発目から結構なボリュームになってしもうた(汗)デジタルリマスターされたキレイな画質も見物ですので、ぜひみなさまも機会があればぜひ♪

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
突然失礼します。
川崎市アートセンターのモノです。
1月16日から27日まで、こちらでは『幕末太陽傳』を上映します。
なので、是非お知らせいたしたく書き込んでしまいました。
『やじきた道中 てれすこ』『しゃべれども しゃべれども』も合せて上映します。
新春の初笑・・・には、少し遅いのですが
名作はいつ見ても名作、映画はスクリーンで見るとまた全然違うものに
観えると思いますのでよろしくお願いいたします!!!
うま
2008/01/05 11:17
うま様、カキコありがとうございます〜。

『幕末太陽傳』上映するのですね!!大画面で見てみたいなぁ〜。時間あればぜひ行かせていただきます♪まるで落語映画大会のよう(笑)。
しかもオープンしたばかりなのですネ。新春寄席もとても興味あります(笑)
ふぁぶ
2008/01/05 23:16

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